補聴器では耳鳴りが改善せず、サウンドジェネレータでの治療相談のお客様
耳鳴りとは
周囲に音がないのに、耳の中で「キーン」「ピー」「ジー」「ザー」「ゴー」といった雑音が聞こえる症状を「耳鳴り」といいます。耳鳴りが発生するメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、有力な仮説として「内耳(聞こえのセンサー)の障害」が挙げられます。
音は外耳道を通って入り、中耳の鼓膜を振動させます。振動は鼓膜に付着する骨に伝わり、内耳へと届きます。内耳には「蝸牛(かぎゅう)」という渦巻き状の管があり、その内側に音の振動をとらえる「有毛(ゆうもう)細胞」があります。有毛細胞は音の振動を電気信号に変え、聴神経を通じて脳へと送ります。こうしたことから、内耳の蝸牛(有毛細胞)は「聞こえのセンサー」と呼ばれています。
ところが、何らかの要因によって内耳に障害が起こると、脳に送られる電気信号が減少し、これまで聞こえていた音が聞こえにくくなります。すると脳は興奮し、聞こえない音を補おうとして、実際には存在していない音を作り出そうとします。耳に限らず、不足した機能を補おうとする働きは、体に備わっているシステムの一つです。しかし、その結果、耳の中で本来は存在しない雑音を生み出してしまうのが、「耳鳴り」なのです。
相談内用
ヨナハ丘の上病院での補聴器相談で、サウンドジェネレーター搭載の補聴器をお願いしたいということでした。
患者さんの聴力データをみたところ、両耳とも低音、高音低下の山形波形の中度難聴でした。
これならサウンドジェネレータでなくても、普通に高音低音に音を入れるフィッティングの方が、難聴改善になると思いお会いしました。
ご主人様と娘さんとご一緒に来院。
なんとすでに他の病院の紹介で、今年の2月に補聴器専門店で両耳で補聴器を購入されていました。
着け始めてから何度も調整をしてもらったが、全然改善されず、言葉が聞き取りにくく騒がしいだけなので、結局付けたくなくなり諦めてしまった。
サウンドジェネレーター搭載の補聴器にすることで、小さい声の会話がはっきり聞こえて、耳鳴りも楽になるなら買い替えをしたい。という要望でした。
お客様詳細
年齢: 81歳
補聴器歴: 購入3か月 (ほとんど使っていない) 両耳
性別: 女性
耳鳴りがずっと酷く、今年2月にオーティコンのジルコン2、BTE補聴器を両耳で購入し、何度も調整をしてもらったが、合わずにすぐ外してしまい、耳鳴りが緩和しないため、ヨナハ丘の上病院を耳鳴りで受診し、補聴器で聴こえないならサウンドジェネレーションの付いた補聴器を試してみたらと紹介してもらった。
ご家族より、もともとの聴力が低音と高音が聞こえにくく、補聴器をつけるとボワーンとこもった感じがして響くとのことで、低音はかなり弱めしてもらっていた。それでも雑音がうるさく、何度も調整してもらったが、あまり性能が良くないものを選んだため、この補聴器では無理なのかもしれない。
提案内容(調整・メンテナンス)
両耳の聴力が中度難聴レベルなので、普通に言葉や色々な音が補聴器で聞こえるようにした方が、耳鳴りが緩和されると思います。
サウンドジェネレータ搭載の補聴器に買い替えなくても、今お持ち補聴器を再調整をし、弱めの音から毎日リハビリをすることを提案しました。
お客様の反応
2月に購入の補聴器は使えないと諦めていたので、同じ補聴器でこんなに聞こえが違い、買い替えをしなくても良いとは、とても助かります。
調整後は言葉もよくわかり違和感もさほどないとのことでした。
まずは1ヵ月使ってもらい、徐々に調整をして音を上げていきます。
今回は、まずは耳鳴りよりも補聴器で会話などが聞きやすくなり、違和感がなくなったことで、補聴器を使ってみたいという気持ちになって頂いたことが良かったと思います。
補聴器で耳鳴りが改善されたり、なくなるわけではありません。
今まで生活の中で通常に比べると聴こえていない分、とても静かな環境で生活をしているような状態です。
その分耳の中で耳鳴りを感じてしまい悩んでいたようです。
補聴器で耳鳴りが治るわけではなく、外からのいろいろな音が聞こえてくることで、耳鳴りが聞こえにくく感じるのです。
耳鳴りでお悩みの方で、言葉が聞こえにくいと感じている方は、一度補聴器をお試ししてみてください。
今お使いの補聴器の聞こえが合わない方、雑音がうるさくて使っていない方、諦める前に一度調整にいらしてください!
桑名市 補聴器の新光堂 認定補聴器技能者 吉原