片耳の壁を超える。効果測定と微調整で導く“思っていた以上の聴こえ

相談内容

突発性難聴で左耳が失われ、右耳だけに頼る生活を続けていたお客様は、4年前から補聴器を使っておりましたが、補聴器を装着しても「もっと聞こえるはずなのに…」といった漠然とした物足りなさを感じていました。特に周りが騒がしい場所では会話の内容を聞き取ることが難しく、テレビもはっきりしない状況が続いていました。桑名新聞のコラムを見て頂き買い替えの相談にいらっしゃいました。その反面、本当に改善できるのか半信半疑だったそうです。

お客様詳細

  • 年齢: 70代
  • 性別: 女性
  • 補聴器歴: 4年
  • 当初は右耳補聴器である程度改善していましたが、その効果を「測り」実感する機会ありませんでした。「良くなっているのか、十分なのか分からない」という不透明感が、お客様の中で消えない不安を生み出していたようです。また、日常で使いにくい形状や電池の交換等の手間があると、補聴器の使用により改善を追求する意欲も薄れがちでした。

提案内容(調整・メンテナンス)

オーダーメイドの充電式耳穴型補聴器を選択し、さらに効果測定を定期的に行い、客観的なデータをもとに微調整を重ねる方法を採用しました。具体的には段階的に出力制限を緩め、低音や高音域を補正していくことで、言葉の理解度を高めていきました。そうすることで、お客様が「もっと聞こえるはず」という感覚を、実際の数値と改善実感で裏付けていく方針を取りました。

お客様の反応

調整前後で効果測定を実施した結果、60dBの環境で言葉の理解度が70%から90%に、30dBの小さな音でも20%から40%へと著しい改善が確認できました。お客様は「すごくきれいに聞こえる」と驚くと同時に、自分自身の感覚が客観的なデータでも裏付けられたことに大きな安心感を得られたようです。さらに、補聴器が耳穴式でしっかりフィットし、日常使いのストレスが軽減された結果、ほぼ一日中装用しても苦にならず、普通の生活で十分な聴こえが得られると納得されました。

片耳での生活は決して十分ではありませんが、オーダーメイドの補聴器と効果測定でのきこえの確認、さらに段階的な調整を組み合わせることで、「思っていた以上の」聴こえを実現することができます。「もう少し」と思っていた段階から「今の聴こえの能力で効果が達成できた」と感じられる境地へと至ることで、お客様は片耳での日常の充実したコミュニケーションが可能になりました。補聴器をつけてどれだけ聞こえているのかを知る為には語音の効果測定が必須です。言葉がしっかり聞こえて、自分に合った補聴器を技能士と一緒に作り上げましょう。

桑名市 補聴器の新光堂 認定補聴器技能者 吉原育代