認知症予防のための補聴器装用 〜早めの対応が鍵〜
相談内容
お母さまの認知症の進行を遅らせるため、医師の勧めもあり、何とか補聴器をつけさせたいというご相談。
今まであまり使っていなかった補聴器を再度使い始めました。しかし、補聴器を日常的に装用することは簡単ではありません。
認知症が進行してしまうと、補聴器の装用や調整が難しくなり、効果を最大限に発揮できない場合があります。
本人が補聴器を着けることを忘れてしまったり、装用の意欲が低下してしまうため、家族のサポートが重要な役割を果たします。
お客様詳細
80代の女性。3年前に補聴器を購入したが、耳から外れやすく、装用が面倒だと感じて使わなくなりました。
病院の認知症外来で「認知症の進行を遅らせる可能性もあるため、補聴器を常に装用して聞こえるようにした方が良い」と言われました。
補聴器を着けたことを忘れてしまったり、すぐに外してしまうことが多い状況です。家族が補聴器を着けさせるよう努力していますが、本人の認識が薄れてしまい、装用の継続が困難です。
提案内容(調整・メンテナンス)
補聴器が耳から外れやすいため、オーダーメイドのイヤモールドを作成し、さらに落下防止用のイヤチェーンを導入しました。また、補聴器を快適に装用できるように音量を調整し、本人が装用を嫌がらないように工夫しました。補聴器を装用することで、音に慣れ、脳の活性化を促すことができます。
しかし、認知症が進行しているため、装用を続ける意識が薄れてしまうことが課題です。
お客様の反応
お店に来店されたときにはイヤモールドで外れにくくなり、イヤチェーン使用で安心と言われていました。
家では家族の協力で補聴器の装用をサポートしましたが、本人がすぐに外してしまうことが多く、補聴器を着けたこと自体を忘れてしまうこともありました。
補聴器の装用を拒否することもあり、継続することが難しくなっています。補聴器を紛失するというトラブルも発生しました。
補聴器の使用にご本人もご家族も疲れてしまう状況です。
認知症が発症した方に、進行を予防するために補聴器を常用させるのは、本人の着ける意識が薄れ、着けるのを嫌がるなど日常的な装用が難しくなっています。
補聴器で認知症を予防できるとは明言できませんが、補聴器の使用で有益な効果が認められた研究は数多く報告されているそうです。そのためには補聴器の装用意欲がある早期装用が鍵となります。そして装用を続けるためには家族のサポートが不可欠です。認知症が進行する前に、補聴器を日常生活に取り入れ、習慣化することが重要です。
桑名市 補聴器の新光堂 認定補聴器技能者 吉原