補聴器を着けてくなくて、2年かけてやっと目標の聴こえに到達できたお客様

相談内容

2年前に最初にお会いした時は、

病院の先生から「そろそろ補聴器を着けた方が良いと思う」と言われて、出来れば着けくないし、そんなに困っていないとおっしゃっていました。

しかし、奥様は「一度で返事しないし、聴こえていないことが多い。テレビの音も大きく一緒に観てて煩い。」と。

補聴器をお試しし、着けたら良く聞こえることを実感されましたが、小型の耳穴型を必要な時だけ着けたい。絶対ずっとは着けたくない!とおっしゃっていました。

お客様詳細

年齢: 81歳

性別:男性 

補聴器歴: 0年

3年前から町内の会合や複数人での話の場では、集中が必要。聞き取れないこともある。

知人から補聴器のマイナスイメージを聞かされ、補聴器に抵抗があり、まだ必要ないと頑張ってきた。

コロナ禍で外出や人との集まりも少なくなり、補聴器の必要性も薄れていた。

来店時の聴力は両耳とも高音が聞こえにくくなっていました。(平均聴力は両耳とも50dBくらい)

言葉の聞き取り(最高明瞭度)は 両耳とも55%。

提案内容

今の聴力の状態を説明。低音が聞こえていて、高音が下がっている方はキンキンカンカンが特に気になりやすいこと、

何年も聞こえていなかったのが当たり前になっているため、最初は少しずつ音を入れて、脳を慣れさせるリハビリが必要なことをお話しました。

機種による性能の違いやご予算等ご相談の上、ご本人ご希望のスタンダードのオーダーメイド補聴器を両耳で作成しました。弱めの音から少しづつ、1日合計で毎日5時間を目標に着けてもらい徐々に装用時間を増やしてもらうようにし、定期的に来店してもらい徐々に調整で音を足していくよう説明しました。

お客様の反応

購入後3か月に1度真面目に予約を取って来店してもらいましたが、毎回装用時間を尋ねると、「毎日は使っていない。外出時のみ」「着けるときは3時間くらい使う」「家にいるときは必要ない」の繰り返しで、毎回いろいろお話をすると「分かりました。毎日つけるようにします。」と帰られていました。

補聴器装用時間が増えないと、脳が慣れてくれないため、足りない音を増やすことが難しく、いつまでたっても雑音がうるさいばかりです。

奥様も半ば諦め状態でした。

1年経って聴力と言葉の明瞭度の測定を行った時、聴力は変化なしに対し、言葉の聞き取りはやや下がっていました。

もともと55%と悪かったのにこれ以上下がっては大変です!

ご本人もやっと聞く耳をもって頂き、

・何が何でも毎日最低6時間。出来れば10時間を目標に補聴器をつけること

・テレビを観るとき、ニュースだけは字幕を消す!

この2つを約束して実践してもらいました。

騒がしいスーパーなども積極的に奥様に同行してもらったり、静かなところ以外でもチャレンジしてもらうようお勧めしました。

弱めの音から2~3か月ごとに、補聴器の使用時間と脳が慣れた分だけ音を上げるよう調整を繰り返しました。

そして1年が過ぎたころには、

「毎日ほぼ1日中使うようになった。補聴器を外したら聴こえなくて不自由だ!」

という声を聞くことが出来ました。聴力が下がったわけではありません!むしろ良くなったくらいです。

補聴器を着けている聞こえに脳が慣れた証拠です!

早速、補聴器装用の効果測定を行いました。

聴力も言葉も両方とも △(補聴器無)から▲(補聴器あり)までグラフが上がっているのが分かります。

効果測定では補聴器を着けての効果がとても良く、やっとここまで来れました!という感想でした。

補聴器を購入してから2年、2つのお約束を実践して頂き、脳のリハビリ具合に合わせて、来店のたびに調整を行いました。

補聴器は生活するのに必要なものなのに、欧米に比べて補助がなく高額です。

その分、自分の耳の能力を最大限に生かした聴こえを得られるように、補聴器をしっかり調整をしてもらいましょう!

桑名市 補聴器の新光堂 認定補聴器技能者